こんにちは、私は2021年秋の米国院のMaster(CS)に入学すべく準備中です。
その入学のためのスコアとして一番時間がかかると言われているのがTOEFLです。
2020年1月から勉強を始めてようやく10/7に目標スコアである100点を超える103点に到達しました。
TOEFLの勉強を開始して苦節一年...
— takayama.k (@pco2699) 2020年10月14日
ようやく目標の100点を超えました🎉🎉🎉
禿げるほど嬉しいです、これは。 pic.twitter.com/8KjmrZFxb2
せっかくなのでこの10ヶ月にやったことを記録しておこうと思います。 これからTOEFL 100点を目指す方や米国の院を目指される方の参考になれば幸いです。
- 私のスペック
- 全体スケジュール・スコアの遷移
- 対策したこと
- TOEFLを1年間 受けた感想
- 英語以外の場外乱闘 〜TOEFL Special Home Editionとの戦い〜
- TOEFL 100点で出来ること
私のスペック
私がTOEFLの勉強を始めたときの前提条件として、簡単なスペックを書いておきます。
- TOEIC 945点を5年前ぐらいにとった
- 海外経験: 生まれてすぐから7年間アメリカに住んでいた。2015年に3か月ほど会社のインド研修に参加
- センター試験など、大学受験の英語はほとんど勉強していない。(指定校推薦)
- 主観的な英語のレベル
- リーディング 簡単な英語の本を苦労しながら読める
- リスニング 外人の言ってること半分ぐらいわかる
- スピーキング めちゃくちゃな文法・単語だけどノリで外人と話せる
- ライティング めちゃくちゃな文法で書ける(書けない)
一応、帰国子女という扱いにはなると思います。 しかし、帰ってきてからほとんど英語を真面目に勉強しなかったため、現在はほとんど喋れません。
余談なのですが、同じくアメリカに行っていた私の姉は英語ペラペラです。
この差を自分は今まで「自分は小2でアメリカから帰ってきて、姉は小4で帰ってきたからだ!この2年間が決定的な差だ!」と思い込んでいました。 たぶん、ただの思い込みです。たぶん姉は日本に帰ってきてからも死ぬほど英語を勉強していたんじゃないかと思います。 帰国子女とは言っても、結局日本に帰ってきてからも苦渋の努力をしないと英語はペラペラにはなりません、おそらく。
この1年間英語を勉強してきてそう思いました。
全体スケジュール・スコアの遷移
TOEFL対策の全体のスケジュールはこんな感じです。
スコアの変遷は以下です。
日付 | 合計点数 | Reading | Listening | Speaking | Writing |
---|---|---|---|---|---|
2019/10/16 | 77 | 21 | 24 | 15 | 17 |
2020/04/29 | 95 | 29 | 26 | 20 | 20 |
2020/06/30 | 85 | 23 | 23 | 19 | 20 |
2020/09/20 | 92 | 29 | 27 | 20 | 16 |
2020/10/06 | 103 | 30 | 29 | 20 | 24 |
2021/01/03 | 102 | 28 | 28 | 19 | 27 |
2021/01/19 | 102 | 29 | 26 | 24 | 23 |
当初の計画では9月に100点取って勉強を終わらせるつもりだったんですが、そんな簡単ではなく結局+4か月、1月まで受け続けました。
目標である100点は10月の時点で取得してました。 しかし、志望校の1つがスピーキング22点以上が必要だったので、スピーキングで22点を超えるべく1月まで受け続けてました。
対策したこと
単語力
各4つのセクションで、必ず必要とされるのが単語力です。TOEFLは留学のためのテストなので、生物とか経済の知らない用語がいっぱい出てきます。 例えば herbivores(草食動物) とか。
そのため、まずTOEFLの学習に手を付ける場合は、単語力の強化から始めるのが得策です。 私は、主に以下の2つで単語力を強化してました。
- iKnow
- TOEFL英単語3800
iKnowは、後述するDMM英会話を受講していると無料なので、DMM英会話やっている人はおススメです。 ほかにもMikanとかがおすすめらしいですが、使ったことないのでわかりません。
iKnowは、アプリで通勤の行き返りに、3800は会社の昼休みにいつも眺めてました。 3800はある程度覚えたら、iKnowに単語登録機能があるので、突っ込んでおくと便利です。
3800はSTEP4の半ばぐらいまでやりました。100点目標であればSTEP3までで十分だと思います。
問題演習
各セクションの対策と並行して、兎にも角にも問題演習をやりまくります。 問題演習は以下を用いました。
- TOEFL Official Guide(青本)
- TOEFL Official Test Vol.1, Vol.2(赤本)
- Magoosh
- 中国TPO
中国TPOとは、中国の無料のTOEFL過去問です。膨大の量のTOEFL過去問があります。 中国国内からのみしか、アクセスできないようですが、KMF-UnblockというChrome拡張があり、それを導入すると国外からでも使えます。 ただし、解説が中国語なので、解説はないと思った方がいいです。
その分、Magooshは解説がすべて動画かつ非常に丁寧なのでお勧めです。ただ、Magooshはリスニングが本試験と比べると異常に難しい気がします。
しばらく問題を解いているうちに、中国TPOが本試験より簡単な気がしたので、途中から公式問題集に切り替えました。
問題は、以下のペースで解いてました。
- 平日(1日)
- リーディング 1問
- リスニング 2問
- 休日(1日)
- リーディング 4問
- リスニング 4問
- スピーキング 1問
- ライティング 1問
リーディング
リーディングの対策としては、上記の単語力・問題演習に加えて、日常的に英語の本を読んでました。 当初は、ネイティブの高校生が読む小説であるDivergentとかを読んでました。しかし、日本人からすると高校生レベルの小説でも普通に難しいです。
ビジネス書を読むのに挑戦したことがありますが、TOEFLでカバーできる以上の単語の難しさで速攻で挫折しました。
個人的に、おすすめなのが「Cambridge English Readers」という英語学習者に向けて平易な英語で書かれている小説のシリーズです。 似たようなシリーズで「Penguin Readers」や「Oxford Bookworms」があるのですが、Kindleに対応していないという致命的な欠点があります。
ジャケが死ぬほどダサいので、買うのに一瞬躊躇しますが、サクサク読めておすすめです。 こいつを毎日防水になったKindle Paperwhiteにつっこんで、風呂で読んでました。
リスニング
Podcast
リスニングは、毎日Podcastを聞いてました。
「BBC 6 minute English」は短いのに、面白いかつ学べる単語が多くておすすめです。
「Culips ESL Podcast」は聞き取りやすい&平易な英語で、カジュアルな話題が多くて聞きやすくておすすめです。
トフレ Listening Delta 18Dayコース
リスニングは問題演習だけだと伸びに限界があったので、7月からトフレというWeb講座の「Listening Delta 18Dayコース」を受講しました。 この講座の中では、リスニングをただ、解くだけなく、リスニングのスクリプトを何回も聞きこみ、聞こえなかった部分をシャドーイングする、などの練習法を教えてくれました。
おかげで、この講座の受講途中で、最高得点の29点を取得できました。
https://www.tofure.com/wtcourses/listening-delta-18day-courseswww.tofure.com
ライティング
ライティングとスピーキングはおよそ半年を費やすほど苦戦しました。 ライティングも問題演習から始めたのですが、そもそも英語をどういう形で書くのかがわからず苦労しました。
Z会 TOEFL®テスト Writing [単科]ハーフ
まず、だれかに添削してもらおうと、「Z会 TOEFL®テスト Writing [単科]ハーフ」を受けました。
頑張って5回 すべての添削を受けました。しかし、結果スコアは変わらず(20 -> 20)、別の添削サイトを探すことにしました。
TOEFL Resources
どなたかのブログで「TOEFL Resources」の添削が良いとのことで、試しにTOEFL ResroucesのMichael先生に添削をお願いしてみました。 添削が返ってきて、ほとんど赤字で直されてたのとドギツいフィードバックに度肝を抜かれました。
フィードバックもこんな感じでした。(だいぶ意訳 & 実際はもっと優しい口調です)
- 文法が全然ダメ!勉強しなおせ!
- 使ってる問題も絶対にTOEFLじゃ出ないやつ!ちゃんと問題選べ!
- テンプレートはこいつを使え!
衝撃を受けましたが、添削結果は納得できる指摘が多く、結果的に10エッセイぐらいMichael先生に添削してもらい、指摘や文法間違いを繰り返さないことでWritingの点数は27点まで伸びました。
English Grammer in Use
Michael先生から「文法がダメ!English Grammer in Useで文法を勉強しろ!」と言われたので、言われた通り English Grammer in Useを全部解きました。
このEnglish Grammer in Useを一通り解くとライティングはもちろん、リーディングなどの理解にも役立つのでおすすめです。
自分は、以下が特に勉強になりました。
- a, theなどの冠詞の区別
- 可算名詞・不可算名詞の扱い方
- should/couldなどの助動詞の使い方
スペル練習
ライティングであまりにスペルミスが多いので、よく間違える単語についてはスペル練習も行ってました。 スペル練習は、AAASpellというサイトを使い、よく間違えた単語を登録して毎日練習してました。
主に以下の単語のスペルを間違えてました。
- colleague
- furthermore
- controversial
AAASpellもあんまりイケてないので、いつか自分の理想のスペリング練習サイトを作りたいな、と思ってます。
スピーキング
スピーキングが4つの技能の中で一番苦労しました。最後まで点数が20点で停滞し伸びず、苦労しました。 最終的に、24点取れましたが、いまだにスピーキングは苦手意識があります。
DMM英会話
TOEFLの勉強を始める前からスピーキングに苦手意識があったので、DMM英会話をやってました。現在は、1年半以上、ほぼ毎日継続してやっており、現在まで合計「13,775分」やってます。
ただ、DMM英会話がTOEFLのスピーキング対策にはあまり役に立たないと思います。 *1
理由は、以下です。
- きちんとしゃべれなくても雰囲気で喋れてしまう
- 中級者ぐらいになると、講師の人は、発音・文法について、まともなフィードバックをしない
2番目については、ネイティブ講師だと変わるかなぁ、と思ってます。しかし、ネイティブ講師プランが高いので移行を躊躇してます。
DMM英会話にも、TOEFLのスピーキング対策の教材もあります。しかし、あんまりおすすめしないです。(一人で練習して録音した方が効果的)
問題演習
スピーキングも他同様ひたすら、問題演習をしました。
自作のスピーキングツールを使って、時間を測ってスピーキング => 録音を聞いて修正してもう一回。を繰り返して練習してました。 自作のスピーキングツールは以下にあるので、良ければ使ってみてください。
E4TG
あんまりにもスピーキングの点数が伸びず、大学院の応募締め切りも迫っていたので、TOEFLスピーキング対策の塾として有名なE4TGに一か月だけ通ってみることにしました。
E4TGはインディアナ州出身のDonald先生が東京駅近くで開いているTOEFLスピーキング専門塾です。 週一回 4人程度で集まって、TOEFLのスピーキングの問題形式に沿ってスピーキングを4人一斉に行い、それぞれ録音したスピーキングのフィードバックをDonald先生が行う授業形式となっています。
ここで習ったスピーキングの戦略やいただいたフィードバックは目から鱗でした。 Donald先生のフィードバックは、発音や文法、構成のわかりやすさなど多岐にわたり、かつ的を得たものです。 TOEFLを受ける必要ない人でも受ければ、ためになるのでは、と思うくらい価値があると思います。
また、E4TGに通う際は、復習が大事です。 自分は12月に受けて、ろくに復習せずに1月頭にスピーキングを受けたのですが、得点が一切、伸びず衝撃を受けました。 そこで、心機一転、E4TGの教材やCDを全部聞きなおして復習したところ、得点が24点まで伸びました。
TOEFLを1年間 受けた感想
いままでいろいろ資格の試験を受け続けてきました。*2しかし、このTOEFLが勉強してて一番しんどかったです。
何がしんどいかというと、 勉強した分だけ点数が伸びるわけではないというところです。TOEICは、問題を解いた分だけ得点が伸びたのでやりがいがありました。 しかし、TOEFLは勉強しても得点が上がらない、何なら得点が下がっていることがありました。*3
そういう点でTOEFLは自分がいままで受けてきて一番、大変な試験でした。
英語以外の場外乱闘 〜TOEFL Special Home Editionとの戦い〜
本来の英語以外の部分でも、TOEFLで苦労したところがありました。TOEFL Special Home Editionを快適に受けるための環境構築です。TOEFLは計7回受けましたが、実は技術的な問題で3~4回は受けられずお金を無駄にしたり、延期したりしました。
具体的には、以下のような問題に遭遇しました。
- 事前の環境チェックスクリプトでなぜか「仮想環境上で動かしている」と判定され受けられない
- 無線LANがブチブチ切れて試験が受けられない
- 有線LAN 15mを購入して、試験に臨むも1.の延期の仕方が悪かったのか、なぜか試験受けられず
- 有線LANはうまく行ったので、試験は受けられた!が、今度は bluetoothの接続が切れて、キーボードが全く動かずライティングが一問パァに
もしTOEFL Home Editionを受ける方がいる場合は、以下のような環境で受けることをお勧めします。
- クリーンインストールしたWindows 10を利用する
- キーボード・マウスはBluetooth・無線ではなく有線接続する
- インターネットも無線LANではなく、無線LANを利用する
- ノートパソコンではなく、デスクトップを利用する
最近は、以下のような格安でめちゃくちゃ小さいPCがあるので、TOEFL専用端末として購入するのもアリかと思います。
そのほか、TOEFL Home Editionを受けた際のノウハウは以下にまとめたのでよければ読んでみてください。 *4
TOEFL 100点で出来ること
TOEFL 100点取ればもう英語ペラペラだし、英語の本とかすらすら読めるでしょ?と取る前は思ってました。 しかし、現実は厳しい。100点取っても、全然そのレベルではありません。
今のレベル感としてはこんな感じでしょうか。
- リーディング
- 簡単な英語の記事なら読める。
- BBCとかの英語のニュースサイト/高校生が読むペーパーバックは少し苦労しながら読める。
- 専門記事/論文は血反吐吐きながら読める。
- リスニング
- Youtubeでネイティブの人の話が半分ぐらいわかる。
- ネイティブと1 vs 1でディスカッションならギリいける?
- 英語の集団会議はおそらくついていけない。
- スピーキング
- 簡単な英語を使って、日常会話やビジネス会話ができる。
- 難しい会話や専門的な会話は難しい。
- ライティング
- 簡単な英単語・文法を使って、ブログやエッセイが書ける。
- 難しい文法・単語は無理。
日本にいて留学せずに、これ以上のレベルの英語力を身に着けている人はどうやって身に着けてるのでしょうか。ぜひ知りたいです。